日本ハム・王柏融　支配下復帰初打席で2点三塁打「頑張ってきた自分に感謝したい」

力強く、リスタートの一歩目を踏み出した。日本ハムの王柏融外野手（29）が16日、エ
スコンフィールド北海道で行われたロッテ戦に「8番・DH」で出場。1点を先制した二回
、なお1死一、三塁の好機で左中間へ2点三塁打を放った。7月末に支配下へ復帰したば
かり。今季初打席で結果を残し「心が高ぶりました。すごく気持ち良かったです」と、
爽やかに汗を拭った。 　一気に三塁を陥れた王柏融は、塁上で強く両拳を握りしめ、
感情を爆発させた。「今年は育成からのスタート。支配下で1軍に上がって、最初の打
席でヒットが出て、すごく新鮮な気持ちでした。低迷している状態でも頑張ってきた自
分に感謝したいと思います」と、メモリアルな一打の喜びを言葉に乗せた。 　台湾プ
ロ野球では2年連続で打率4割超を記録し、2017年には3冠王を獲得。数々の輝かしい実
績を引っさげて日本球界へ挑戦した。〝大王  の愛称で親しまれた強打者は、来日1年
目の開幕戦からクリーンアップを任されるなど大きな期待を掛けられたが、ポテンシャ
ルを発揮するには至らなかった。昨季は15試合の出場にとどまり、オフには自由契約に
。鳴り物入りで入団したスター選手は、育成契約から再出発を図った。 　長い時間を
過ごした千葉・鎌ケ谷では、若手に交じり懸命に汗を流した。過去の栄光や名声にとら
われることなく、ひたすらに支配下復帰を目指してきた。首脳陣にも助言を求め「2軍
にいるときは佐藤打撃コーチに助けられました。全体練習の他にも時間を使っていただ
いて、いろいろコーチングしていただいた。メンタルもフォローしてくださって、すご
く支えになりました。本当に感謝しています」と、ファームで過ごした日々を振り返っ
た。 　故障や不振を経験し、ようやく日の当たる舞台に戻って来た。「育成の契約だ
けでも球団に感謝しているし、ファイターズでプレーできるチャンスをすごく大事にし
ています。きょうは記念の1日になりました。これからも毎日練習して、結果が良くて
も悪くても、自分が頑張っていくことを心に刻みたいと思います」。台湾の至宝はプラ
イドを胸に秘め、信頼をゼロから積み上げる。 （宮西雄太郎）